マイハートハードピンチ

春になるとおかしくなる。浮き足立ってるなんて言えばいくらか聞こえがいいけど、地に足が着いていないだけよ。すっごく楽しい気分になって一日中うろうろうろうろ出歩いている日もあるし、ずっと落ち着かない気分でなにもできない日もある。後者の方が多い。肌は荒れるし目は痒いし頭は痛いしぼんやりしてるしなんとなく不安だしやるべきことに追われるし朝起きれないし、まあそれはいつものことだけど。そのくせ僕は安心安全ですよ、一緒に楽しいことしようよ〜おでかけしようよ〜みたいな顔、平気でするじゃん。でもいつか終わる。暑さ寒さも彼岸まで、だからなんとか生きていける。

 

新しい街はやや不便で、多すぎる選択肢が嫌いな私には住みやすい気がしている。ペット可の物件に住み始めて、隣から犬の声が聞こえる。いいなあ、私も猫飼いたい。そんなの、今まで思ったことなかった。26歳ぽい心境の変化。なんか新しい友達とか欲しいしお気に入りの店に出会いたいな。散々春をこき下ろした直後にこの浮かれ方である、誰かに筆を乗っ取られましたか?

 

束の間の金髪期間を終えるために前住んでいた街の美容院へ向かう。ちょうどいい〜〜〜。懐かしいものってどうしてこうも綺麗に見えてしまうんでしょうか。思い出したくないほど汚い思い出ってあんまりなくて、どれも終わってしまえばそれはそれでと言えるような、そういうところがお人好しというか平和ボケというか、忘れっぽくて、私らしいといえば私らしい。許せないものは許せないままでありたかったりするが、なかなかそうはいかない。そんな時代もあったねといつか笑える日が来るわ。許したくなんかなかったのにぃと息巻いていたのも今は昔、ご都合主義で何が悪い。とはいえまだまだ日が浅すぎる。見つからないように息を潜めて街を歩く。あの時と同じ傘、あの時と同じコートで。

 

つい先日3回目のワクチン接種を終えて、これ一生なんですかねえ?ワクチンの次の日は公式に休めるからいい。大義名分を手に入れたような気分。

 

今日は雨。雨が降るとなんとなく相対性理論タルトタタンが聴きたくなる。大学生くらいからずーっとそう。聴く音楽の移り変わりが小さーくなってきた。雨の日にはわかりやすく雨の日用のプレイリストを聞く。わかりやすく普段履かないスカートを履く。わかりやすくもう会えない人のことを思い出す。暑さ寒さも彼岸までだね〜〜