独立した宇宙だったのかもしれない、あの日あの時、蔭涼寺だけが雨の岡山の中でぽっかり浮いていた。台風が近付いていた。というポエムを、ライブを見る前に書いていました。そうだよな、そう思った瞬間だってあった。そうなんだけど。うーん。順を追って書きたい。今日はほとんど内田万里の話です。

 

まず会場に入ってその狭さにびっくりした。い、椅子が所狭しと...。どうやら主催の夢番地側のミスらしい。キャパ以上に発券してしまったとのこと。頑張って!!!!入り切るくらいでよかった...。会場自体は拍手がよく響く、雰囲気ある素敵な会場でした。PAもしっかりしてたし、照明もついてた。すごい。寺よ、普通のお寺。お坊さんがPAしててなんかシュールだった。普段からかなりイベントがあるみたい。

 

 

いちばん、the pillows山中さわおさん。さわおさんはさわおさんだった。本物を見てびっくりした、メチャクチャ男前...。リンプトゥモロー、マイティラバーズというthe pillowsの曲に始まり、なんとandymoriカバーのビューティフルセレブリティー!これがすっごく良かった!さわおさんの歌い方にハマっているというか、さわおさんの曲かと思うほどしっくり来てた。これはレア。若人に語りかけるおじさんかわいい...結婚してほしい...。

さわおさんの歌は、卑屈で開き直ってて人間味があって愛くるしい。昇らない太陽も持ち主のないギターもよかったな。びゅーてぃふるのカバーもよかった。pillowsのライブも見てみたいな。

 

にばん、AL小山田壮平さん。小山田くんは久しぶりに見た。会場の中では最後列だったんだけど、今まで見た中で1番近かった...。どんな言葉を使えばいいのかわからないけど、私にとっては彼の言葉が歌が本当で、大切で、うーん、元気に歌ってて嬉しかったな!9.10曲やってくれたけど物足りなかったからやっぱりツアー行ったらよかったなぁと...。今年はALも活動多いしうれしい、楽しみ。

andymoriの歌、ゆうちゃん、この短い30分に選ばれた曲、やっぱり大事にしてる曲は伝わってくるなぁ。何回見たって胸がいっぱいになって、こんなにずっと言葉で説明出来ないことはない。好きだなぁと思った。

 

最後、ふくろうず内田万里さん。まず言っておきたいことは、私は本当にふくろうずが好きだということ。

内田万里の詩が好きだということ。

冷たいふりして君を困らせたい

チャチなプライドを許してほしい

優しいふりして笑顔にさせたい

それくらいしかできないから

一途なふりして浮気性な僕は

君に愛される資格がない

それでも歌うよ

君のハッピーバースデー

ボブディランみたいに歌おう

 新曲、びゅーてぃふるより。ヤバくない?ヤバい。超好き。わかるもん。全部わかる~~!!ってなる。

しかし内田さん、最初からかなり出来上がっていて、前2人の演奏中にもメチャクチャ笑うし喋るし、いや、ただの酔っ払いなんだと思いつつ、あなたのツアーでしょうが!!とも思う、複雑な心境...。そしていざ出番となったわけですが、もうベロンベロン。セットリストはすばらしい世界、ドキドキ、すばらしい世界。斬新。小山田さん曰く前衛的。そしておそらく段取りよりかなり早くさわおさんと小山田さんをステージに呼び、ビートルズのハローグッバイで終了。終了…………。なんとかアンコールがあり、ハイブリッドレインボウをなんとなくみんなで歌って本当に終了、強制終了だった…。

 

「天才は孤独で理解され難いものである、というのはわかる、わかるけど、こういうことなのか。なんで今なんだろう、許せない自分もまた許せない。音楽は全然私を救ってなんてくれない。いつもなら酔っ払いだってイレギュラーだって笑い飛ばせる、だけど今は私どうしてもあなたの歌が聴きたかった、その歌に救われたかった。ずっとずっとずっとずっと待ってた待ち望んでたのに、なんでよ。信じてた愛してた、だからこそ悲しい。好きじゃなければよかったのに。」

ライブを観たその日に下書きしてあった文章。あの日の私はどうしても内田さんの歌が聴きたかったらしい。でも、今ちょっと心が穏やかになって(というか台風で帰れなくてそれどころじゃなくなって)またいろいろ思うところがある。

 

 

内田さん、「私はキスがしたい」「さわおさんともキスがしたい」「キスをするために音楽をしている」(だいたい原文まま)と言っていた。聞いた時は、そんなこと言ったらさわおファンや小山田ファンに怒られてしまう…と思ってこっちがひやひやしたけど、なんというか、わかる。共感というわけではなくて、この人はそういう人なんだな、この人の原動力はここだから、あんな歌が書けるのか、と思う。

 

内田万里の詩が好きだということ。

ふくろうずの詩は切なくて、ちょっと暗くて…ってよく言われることで、それはもちろんなんだけど、どうしようもなく女性的。特別な言葉を使える、ただの女の歌。ちょっとみっともないところ、ずるいところも込みで。自分の女っぽさを全開で出す歌って難しいし恥ずかしいと思う。そういうの、隠す人の方が多く感じるけど、さらけ出している。上に挙げたびゅーてぃふるなんかもまさにそう。だから今回は内田万里のルーツというか、成り立ちがわかって面白かったかも。わざわざ雨の中岡山まで行って、ネカフェに泊まり、電車も止まり、もう一泊しなくちゃいけなくなったりしたけど、面白い話も聞けたしまぁこれはこれでよかったかなともやっと思えてきた。

内田万里の詩の良さを改めて実感できたことだし、今度こそ歌が聴けるといいな…。

 

なんかあんまり、伝わりにくい書き方を長々としてしまった。そのうちしれっと書き直すかもしれない! まぁでも、楽しかった!おしまい!

 

 

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