hayatochiri

 

卒論を提出するのが怖くてウケる。待ってるのは解放感なんかじゃなくて、虚無感なんじゃないか。ヒーヒーは言わずとも、ウンウン唸りながらようよう書き上げた紙の束を綴じて、学生としての目的がもう間もなく果たされることに気付いてしまった。こんな親不孝先生不孝なことは言えないのでちゃんと出しますよ、でも明日がXデーだ。私の女子大生生活はもう間もなく終了する。こんな紙束が私の若さに終止符を打つなんて、なんて簡単なもので保障されていたんだろう。女子大生じゃなくなるってすごい。若さが価値だとは思わない、だけど一つの尺度というか、そういうものだと思う。きっとそのうち、次の春が来れば、組織の一部になるなりして保障されて生きていくことができるだろう、でもそれまでは。大学生活はモラトリアムだった、でもきっとここから春までが本当のモラトリアムだ。
ひとまず女子大生という肩書きを失った私こんにちは、新しい人生の幕開けはすぐそこまで来ている。

hayatochiri

hayatochiri