ゴッホ

散文詩を書きたい衝動っていったいどんな時に来るの?私にはそんな瞬間訪れなかった。だからこんな風に一行も開けずに日記を書いてみたりする。手帳の日記はいつからか止まったままで、朝になればすっかり忘れてる。女の子って何で出来てる?砂糖とスパイスと、それと素敵な何か、そんなわけねーだろ。女の子は女の子で出来ている。あなたもあの子もちろん私も、骨の髄まで女の子で出来ている。それが美しい。幻なんかじゃない、人生は夢じゃない。大好きな人の大好きなバンドのライブが誕生日にあるからチケットを取ったのに、整理番号400番台。なんでよバカ!祝福してくれると思ったのに。勝手に期待をして、勝手に傷ついている。いまだに奇跡はどこまでもついてきてくれて、必要な時に降ってくるもんだと思ってる。それでも奇跡はこれから起こり得る未来の話。未来についてはまだ鈍感でも、過去についてはちょっとだけ詳しくなった。どんなに美しくても、尊くても、思い出だけじゃご飯何杯もは食べられないってわかってる。私たち女の子はそれを知っている。骨の髄まで知っている。今日も今日とてお父さんがくれた瞼は重たくて、現実の半分を隠して私を守ってくれたけど、なかなか愛せない朝もある。だって私の瞼がこんなに重くなければ、現実はこんなに寒々しくないはずだ。それでも今日はいい天気だから、きっと大丈夫と言い聞かせて薄くアイシャドウを塗り付けるし、ビューラーを温めて無理やり短いまつげを上がらせるし、ちゃんと太い足で立ち上がってもみる。人生は穏やかであってほしいと思う、でも一方で、裸体もピアノガールもブルーハーツも必要ない人生なんて、私はいらない。一人で立てない女にはなりたくない、メチャクチャに生きたい。やってられるか。嫌いなやつ全員ボコボコにしたいし負かされた奴には勝ちたいし打ちのめしたい。悔しい思いをたくさんして、全部エネルギーにして全員足蹴にしたい。ほら、いち抜けた。

 

 

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